『内容もそうだが読み物としても圧倒的に面白いノンフィクション』
今日、誰もが知っている指紋鑑定がどのように確立されていったのか、その過程にはどのような人間模様があったのかを描いたノンフィクション。
初めて○○を○○したのは私だ、という論争は、その○○が後世に残した影響が大きければ大きいほど激しいものとなってしまうのは世の常である。
だから、指紋の科学的研究の祖とされる主人公ヘンリー・フォールズの功績を抹殺しようとするフランシス・ゴールトン達のやり口もそんなに驚くものではないが、彼らの行動を縦軸にそして実際に起こった事件を横軸に描かれる指紋鑑定の歴史は読み出したら止まらない。あっという間に読み終えてしまった。邦訳もわかりやすく素晴らしい。
ところで、本書には指紋鑑定による個人識別を初めて有効活用する方法を実現したものの、その功績を上司エドワード・ヘンリーに奪われてしまったインド人アジズル・ハクのその後が綴られていない。彼はその後どのような運命を辿ったのだろうか。非常に気になるところである。
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